ホグワーツの生徒の親はみんな魔法使いなのか?
魔法の力を持つ者はみんな魔法使いの家系の出身だ、と安易に考えがちである。確かに魔法の力は代々受け継がれるはずだろう? ところがホグワーツには、古くから続く魔女や魔法使いの家系の出身の生徒もいれば、両親には魔法の力がまったくないという生徒もいるのだ。
まず、純血の者がいる――両親ともに魔法使いの家系の出身という生徒だ。ロン・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、ドラコ・マルフォイはみんな純血である。こういう家系の出身者のなかには、純血の自分はみんなよりすぐれていると考える者がいる。ドラコ・マルフォイは明らかに自分の「血統」に大いに誇りを持っていて、「純血」ではない相手を見下している。けれど、純血でもこんな考え方をする者ばかりじゃない。ロン・ウィーズリーは昔から続く魔女と魔法使いの家系の出身だが、そんなことは少しも気にしていないし、分けへだてなく相手を受け入れている。
それから、半純血の者もいる。親の片方が純血で、もう片方がマグルあるいはマグル生まれという生徒だ。ハリー・ポッターが半純血なのは有名な話だ。父親のジェームズ・ポッターは純血の家系の出身である。母親のリリー・ポッターはマグルの家系の出身だ――リリー自身は魔女なのだが。
この流れから、残るはマグル生まれということになる。両親ともにマグルで、魔法界のことを何も知らずに育ってきた生徒たちだ。ハーマイオニー・グレンジャーはマグル生まれであり――両親はどちらも歯科医だ! とはいえ、マグル生まれの者は、幼いころから自分がどこかみんなとちがうことをうすうす感じ取っているはずだ。魔法の力を持つ子どもは、そのつもりがなくても魔法を使う傾向にある――こわがったり、おこったりしたときは特に。ペチュニアおばさんがハリーをひどい髪型にしたけれど、ひと晩で元どおりになったときのように。
そんなわけで、ホグワーツの教授から入学を許可する手紙が届き、本当は自分が何者なのか知らされると、マグル生まれの子どもたちはホッとするはずだ! 自分たちの周りで起こった数々の不思議な出来事に、ようやく説明がつくのだから。
魔女や魔法使いになるには、両親が魔法の力を持っていなくてもいい。育ちも家系もさまざまな生徒たちが大勢いる。魔法を使うことさえできれば、魔法学校に通えるのだ。