ゴーストはどうやって魔法界に存在しているの?
ゴーストとは、死後もこの世に自分の一部を残した魔女や魔法使いの痕跡だ。魔法の力を持つ者だけがゴーストとしてもどってくることができる(つまりマグルはゴーストになれないということだ)。けれど、魔女や魔法使いはみんなゴーストとしてもどってくる能力があっても、賢明な者ならもどってこようとはしない。
この世にもどってくる者は、何かやり残したことがあるのだと言われている。後悔や恐怖、あるいは罪悪感など、もどってくる理由は山ほどある。物質的な世界に非常に強い執着があり、どうしても立ち去ろうとしないゴーストたちもいる。
ゴーストの体は立体で透きとおっていて、なんの害も与えずに固体(人間もふくむ)を通りぬけることができる。だが、炎や水、空気を乱す。ゴーストが存在する場では空気が冷え、ひとり以上のゴーストがいれば、温度はさらに下がる。不運にもゴーストが自分の体を通りぬけていったら、まるで氷水を浴びせられたように感じるはずだ! ゴーストには炎を青く変える力もある。
永遠にこの世にとどまるということに心ひかれるかもしれないが、ゴーストは生きていたころの自分の影にすぎない。この世でできることはあまりないのだ。もう何もさわれないし、何も食べられないし、新しいことも学べない。ゴーストの知識と能力は死んだ時と同じレベルのままだ。この世に未練があるのだから、たいていのゴーストたちはつき合っていて楽しい相手じゃない。彼らはうらみやいきどおりをわすれようとしない――「ほとんど首なしニック」に、ほとんど首なしになった理由をきいてみるといい!
ゴーストとしてもどってこられないだけじゃなく、マグルにはゴーストを見ることもできない。魔女や魔法使いは超常現象をずっと敏感に感じ取るため、ゴーストを見たりかかわったりすることができるのだ。だからといって、マグルがまったく気づかないわけでもなく、憑かれている場所の空気を冷たく感じたり、不気味な感じがしたりすることもある。
全体として見ると、ゴーストになるというのはつまらないことに思える。ゴーストになるのは、ぬけがらのままでありつづけるということだ――だったら、ならなくていい。