クィディッチに“黄金のスニッチ”が加えられたのはなぜ?
試合で使われる4つめのボールとしてスニッチが加わる300年前から、クィディッチはすでに存在していた。1269年にバーバルス・ブラッグという非常に有力な魔法使いが試合に出場してから、クィディッチはハリーやロン、そして魔法界のみんなが熱狂するスポーツに発展した。
12世紀初頭、魔女や魔法使いたちはスニジェット狩というスポーツを楽しんでいた。黄金のスニジェットは、機敏で飛ぶのが速い小さな生物だ。その性質から、見つけるのは難しかったが、狩りの獲物としてはうってつけだった。スニジェットを捕らえることができた魔女や魔法使いは、すばらしい才能と手腕を示すことになり、おおいに尊敬された。おだやかな生物を傷つけて殺すことはひんしゅくを買う行為ではあったものの、あまりにも人気のあるスポーツだったため、禁止への取り組みはまったくなされなかった。
クィディッチの試合を見物していたバーバルス・ブラッグは、競技場にスニジェットを放つと、最初にこれを捕まえた選手に150ガリオンを与えると申し出た。それ以来、クィディッチの試合にはスニジェットがつきものになった。のちにシーカーと名称が変更されることになる、ハンターという新たな選手のポジションが追加された――彼らの目的はスニジェットを捕まえて、ガリオンではなくチームのために150点を獲得することだ。
クィディッチが人気になればなるほど、黄金のスニジェットの数が減ってしまうのは当然のことだった。そこで、魔法評議会はスニジェットを保護種に指定し、ついにスニジェットを狩やクィディッチの試合に用いることは違法となった。
クィディッチを続けるため、スニジェットのかわりになるものが求められた。代用品が見つかったのは、ゴドリックの谷のボーマン・ライトという魔法使いのすぐれた頭脳のおかげだ。彼はスニジェットのサイズと能力をそっくり再現したボールを発明した。小さな金色のボールで、スニジェットと同じぐらい敏捷ですばやく飛び回れる羽までついていた。こうして、クィディッチのピッチで黄金のスニッチが羽ばたくことになった。